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自由になりたい

旧満州旅行(瀋陽)

そういえば先日、旧満州旅行してきました。

 

こっちに来て、和平饭店というドラマを見て、当時の歴史に興味を持ったことがきっかけです。

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その後、知人に『虹色のトロツキー』(2000年3月, 安彦 良和著)という漫画を紹介してもらい、読んでみて、その関連の史跡に足を運んでみたいと思いました。また、他の知人から「観光コースでない『満州瀋陽長春ハルビン・大連・旅順」(2005年11月,小林慶二著)という本を借りたのも起爆剤になりました。

 

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トロツキーの舞台は中国全土に渡り、ノモンハンやイーニンといった、この漫画のコアにある史跡を訪れることは叶いませんでしたが、当時の満州、そして日中戦争という時代がどういう時代であったかを感じることはできたと思います。また、それぞれの和平飯店「風」ホテル *1をめぐることはできました。*2*3

 

<目次> 

 

 

1.移動

朝起きれるかどうか不安だったけど、なんとか頑張って起きて、高速鉄道瀋陽に向かう。

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 人多いなーって思いつつ、のちに行く長春では卒倒しそうでした。まあ、春節帰省ラッシュと重なればそんなものではないのでしょうが。

 

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 約5時間で結構くたびれてたけど、中国だとまあまだ行ける的な時間です。高速鉄道じゃなくていわゆる火車だと、もっと時間かかる、寝台で寝てもしんどい、いわんや硬い椅子の場合は・・・的な感じ。

 

5時間寝倒して、なんとか瀋陽に到着。

 

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大正モダンな感じの駅を見てまず感動。

まさにドラマで見たような建物が立ち並び、テンションが上がる。

 

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2.ホテル

 この日止まったのは遼寧飯店。いわゆるヤマトホテル。今回旅行行った中で泊まった大和ホテルはここだけ。その他は人気だったり、営業停止してたり。

 

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 見ただけで相当テンション上がり、キャーキャー(心の中で)言いながら写真撮りまくってた。

 

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100年も経ってるかな?って思ったけど、開業が1907年ですね。経ってました。そうだ、日露戦争(1904年(明治37年)2月8日 - 1905年(明治38年)9月5日)が満鉄のきっかけになったもんね。

 

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中国の有名宿泊客一覧。昔の日本人も沢山泊まっていたはずですが。ちなみに、与謝野鉄幹・晶子夫妻も奉天と呼ばれていた時代に遼寧飯店に泊まっているらしい。ただ、与謝野晶子が泊まった時は奉天駅の目の前に建っていたのだが、その後、現在の位置に移転されたそう。

 

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この写真が、与謝野夫妻が宿泊した時代のものかは不明。多分今の位置に移ってきた後じゃないかな。

 

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カフェもおしゃれ。カッフェーって言った感じ。

 

 

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ピアノ。かわいい。ドラマだと、バレリーナっていうソ連の外交官がよく食堂のピアノ弾いてた。

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やばい、ハルビン、モデルンホテル巡って満足してたけど、ヤマトホテル行くの忘れてた。

 

f:id:nohohonnohohon:20180817022641p:plainエレベーターホール。やばい、やばい。かわいい。

 

 

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やばい、大正モダンな歌手が歌ってそう。というより歌っててほしい。ドラマだったら第一話で王大顶が逃げようとして、忍び込んだところに関東軍がいて(略

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ここでご飯食べたかったけど、一人で入る勇気はなかったです。

 

3.瀋陽故宮

ひとまず、ホテルの中を楽しんだので、瀋陽の街に繰り出す。*4

 

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中山広場の革命の象徴。

 

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やはり、シェアリングサイクルが手軽に使えるのは便利。ただ、猛暑の中、三キロくらい走って汗だく。瀋陽故宮へ。

 

 

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後金のヌルハチ、そして清朝最初の皇帝ホンタイジの治世の首都だった瀋陽。1644年順治帝の治世に李自成が北京を占領し、明を滅ぼすまでの首都(だったらしい。)

 

 

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お土産物屋さん。楽しそう。店の前の日陰で観光客が涼んでた。

入場料現金オンリーだったため、知らない人を見つけて、WechatPayでお金を渡しつつ、現金を調達。傍から見たら単なる怪しい外国人。

 

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生・女真文字。いうて北京故宮にもあるか。

 

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昔の王朝って感じ。ただ、この近くで小さな女児が野糞し(略

 

 

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ラストエンペラーにも皇帝の玉座的なところが出てきてたけど、そう考えたら北京故宮の迫力が半端ない。如何に北京宮廷の力が強大だったかがわかる。

 

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ただ、同じような建物ばかりなのと、暑すぎるのとで、結構すぐにへとへとになってた。

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ちなみにここの階段の手すり?の部分の色がすごく綺麗。

 

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お妃の寝室、とかだった気がする。

 

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多分ここに座って政治に携わってたんじゃないかな。いわゆる幹部室。

 

 

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ちなみにこのあと大量にアンティークをみました。当方北京で骨董研究会なるところに顔を出していて、そっからにわか中国骨董ファンです。大量にアップしてしまったので、ご関心があったら以下のリンクから見てください。

nohohonnohohon.hatenablog.com

 

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ということで、瀋陽故宮は満喫。暑すぎて少々ふらつく。張学良の旧居に足を運ぶ。

 

4.張氏師府

そういえば、清朝末期から中華民国初期にかけて各地の軍閥が相対的に勢力を伸ばしていたなんてことを世界史で習ったことを思い出す。

 

日本軍は軍閥の長であった奉天軍の長であった張作霖を利用しようとするが、次第に方向性の違いが顕在化し、最終的に奉天駅付近で張作霖の乗った列車を爆破したという事件があった。

 

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その息子張学良は、西安事件蒋介石を軟禁、国共合作を実現させた。なお、その後は禁固刑に処せられ、また戦後も蒋介石の台湾逃亡に伴い、90年まで自宅に軟禁されていたが、94年に名誉回復、その後ハワイで生活し、2001年に没したそう。*5

 

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 歴史が動いた場所にいる感動を感じながらも、ちょっと流石に暑すぎるし、瀋陽故宮でも歩きすぎてちょっともう疲れ果ててたし、なんなら便意を催していたこともあり、早急にホテルに帰らねばならぬ。そう思いながら改めてチャリにまたがる。

 

 

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そしてまた中山広場。便意というものは波があるもので、この時には少々落ち着いていた。

せっかくなので、満州時代の旧址を写真にとって回る。

 

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関東軍司令部の旧址。淡々と撮る。

 

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遠まきにも。

 

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ホテルに着いた。コーラ買ったら20元もした。ただ、せっかくなので、ホテルのカッフェーで一服。

 

5.夜ご飯

ちょっといいものでも食べよう、と思って浮つきながらホテルを出る。

 

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すっかり日も暮れてきた。中山広場では广场舞を練習する中高年が沢山。

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なんだかんだで和食が一番、ということで、日式居酒屋に入る。頑張って中国語で話そうとしたが店長実は日本人みたいで「とりあえず生にしておきましょうか?」なんて言われる。へへっとか言いながら生をもらう。うまい。

お通しにキムチとかたこわさとか、お通しででなくても頼みそうなものが出てくる。

結局串の盛り合わせ、フォアグラ、牛肉ステーキを食す。うまし。うまし。うまし。

ちなみにフォアグラは、フレンチトーストの上に、ブルーベリージャムがかかった状態で出てきた。シャレオツ。

 

いろいろ最高。興奮しすぎて写真撮るの忘れてた。

 

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ステーキのみ。めっちゃうまかった。塩コショウ大好き。大好き。塩コショウ万歳!居酒屋絆、瀋陽行ったら是非行ってみてください。

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すっかり酒に弱くなった。ほろ酔いで、ホテルに帰る、別途に横になってドラマ見たり、コメディ見たり。翌日の電車のチケットとホテルをやっと予約。

 

父親と娘のコメディ(新喜劇みたいなやつ)を見て感動して泣く。そして寝る。

一日目終了。

 

6.旧満鉄事務所址、そして大連へ

昼過ぎの電車を控え、午前中、最後の瀋陽を満喫。

張作霖車両爆破址に行こうかと思ったけど場所がわからず断念。また九一八記念館も改修中。この旅、主要スポットが改修中という展開が結構あった。

 

結局チャリでぶらぶらして、旧満鉄事務所址を発見。

 

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今はホテルとして利用されているそう。値段見たけど遼寧飯店より高かった。

 

 

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中を探索しているとおしゃれなカッフェーを発見。行くあてもないし、ここで時間を潰す。

 

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並ぶ鉄道年鑑。車両のデータとかばかりでよくわからなかった。

 

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カフェからの帰り道、せめてモノ悪あがきで客室フロアを撮影。

 

 

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ロビー。かわいい。

 

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展示物も可愛い。

 

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時間も近づいたし、瀋陽駅へ。内装が東京駅丸の内口を彷彿させる。

 

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これから5時間程度。ちなみにこれは火车。高速鉄道ではないので少々ゆっくり。

 

 

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包头(内モンゴル)行ってみたい。

 

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地味に寝台列車。如何に自分のフロアが狭いかということを写真に収め用としたけど、どうもスキルが足りず。なお、広さは畳一畳分程度、高さは大体70センチくらいか。三段ベッド。登るとき何回も頭ぶつけた。

 

正直5時間眠くもないのにエアコン直下で5時間移動というのはしんどかった。本でも読もうにも酔いそうになる。動画をみて5時間過ごす。

 

(続く)

 

*1:(旧満鉄が建てた「ヤマトホテル」と、ハルビンユダヤ系ホテルのモデルンホテル。

*2:正確には、和平飯店というまさにドラマと同じようなホテルが上海にあります。いつか泊まってみたい。せっかくの機会ですので、少し備忘録的にブログにしておこうと思います。

*3:なお、8月は終戦記念日もあり、いろいろ感じることもありました。しかしここで先の大戦に対する解釈を述べることはしません。実際多くの史跡を巡り、そこで抗日の歴史を説明する展示も拝見しました。ただ、歴史をひとつ方法での切り取れば、他の見方をする人たちの反発をうむことは必至です。「正视历史,面向未来」という言葉のとおり、多くの歴史を直視し、それを元に未来を築いていくことが大切なのだと思います。そういった意味で、今回の旅行は、個人的には、未来につながる旅行になったと思います。

*4:客室の写真撮るの忘れてた

*5:

張学良(ちょうがくりょう)とは - コトバンク