旧満州旅行(大連・旅順)
<Contents>
1.大連到着
もう19時半近くになって、やっと大連に到着。
この度、暑すぎて毎日一日一食程度(晩ご飯だけ)とかだった。晩ご飯になるとまあまあ腹は減っていて助屋という日式?レストランに入る。助屋だけでも日本っぽいけど、それをあえて再度日本語に翻訳するクオリティ。
大連には不思議な日本語や、パクりが多かった印象。
ミスったのが、金州区というところにホテルをとってしまい、大連駅からホテルまで20キロくらいあったということ。ホテルに問い合わせるも、ネットで予約してるから取り消しできないとのこと。まあ、ビジネスの中心地みたいなところで、日系の飲み屋やマッサージ店みたいなところが結構あったし、まあ使い勝手は悪くなさそうだった。
ホテルからの夜景。マンションの一部がホテルになってる感じ。駐在員になった気分。しかも無駄に広くてベッド2個あるし。ここでも前日見た新喜劇、全く同じものが放映されていて、見る、泣く。
そして、寝る。
2.旅順へ
翌日、旅順は水師営に向かう。タクシー使うと楽かもだけど、困ったらあえて困難な道を選ぶと佐藤可士和も言っていたから、極力公共交通機関で移動することにする。
大連駅につき、バス乗り場に向かう。一昔前の中国感が漂う。バスチケットは7元。一時半も揺られるのに7元とは、格安な気がする。
しかし、バス乗り場が見つからない。というのも、市バス的なのとは違うバスのチケットを買ってしまったもよう。新聞売ってるおっちゃんに聞く。なぜか怒鳴られる。無論何と言ってるかは判別不能。困る。
結局違うおじさん捕まえて、いろいろ探したり聞いてもらったりしてバス乗り場発見。明らかにバスは到着しているんだけど、12時の発車まで運転手は寝ているみたい。
1時間半経過。旅順到着。到着早々、マクドナルドのパクリを発見する。
雰囲気は、郊外といった感じ。大連の市街地では日本語や韓国語の表記や放送がよく聞こえたが、旅順では本当に中国語だけ。
ひとまず、日露戦争は旅順軍港攻防戦の停戦条約が結ばれた地、水師営旧址に向かう。
一度携帯の地図上に表示されたところに向かったら何もない空き地についたので、再度住所を入力してなんとか到着。
水師営では日本語がペラペラのガイドが解説してくれる。内部は撮影禁止だそうだが、外で何枚か撮影する。
ちなみに、ここで、日本軍が残していったものとして、満鉄時計が置いてある。彼女たちの説明によれば「日本軍が置いていったもの、中国人は不要」とのこと。ただ、そこに置いてあるのはレプリカで、しかもSEIKOとか満鉄時計に入っているべき文字は入ってなかった。また、違う売店には、本物っぽいものも置いてあったが、6000元とか書いてあって手が出せる代物ではなかった。
他にも関東軍司令部とか、いろんな史跡はあったのだが、大連でもいろいろめぐりたいと考えていたため、ひとまず水師営だけで旅順を後にする。
バスセンター行きのバスに乗る。バスに乗る前、お金の入れ方が毎度不安なため、近くのおじさんに話しかける。そしたら、そのおじさんと話が盛り上がる。結局、バスセンターまでいろいろおしゃべりをする。
以前、満州地域は日本が公共事業投資を行ったりした一方、大連・旅順は満州ではなく、いわゆる植民支配地だったため、旧満州地域と比べ反日感情が強い、と聞いたことがあった。今回実感したのは、もちろんそういう傾向もあるかもしれないが、そういうフレームで画一化できるほど人の感情というのは単純ではないということだと思う。少なくとも、一緒にバスに乗ったおじさんは優しかったし、温かかったし、日中の政治的な軋轢を彷彿させる何かは感じられなかった。
一方、その他の旧満州の人たちが果たして「日本人大好き」かというとそういうわけでもない。政治や外交では、国というプレイヤーが主体であるものの、人と人との交わりでは、あまりその国の歴史が、(たしかに政治の話とかをするときは別だが)目の前の人の評価に関わってくることは、最近では少なくなってきてるんじゃないかと思う。
3.大連着、ロシア風情街、横丁
日も暮れかけてきた時分、大連に到着。急いで回れるところを回らなくてはならない。大和ホテルは翌日に回し、閉館時間のないロシア風情街に行く事にする。
適当に歩いていると果物市場を通る。もう営業が終わっていたみたいだったけど、やはり北京や上海の様子とはちょっと違う、レトロさを感じる。
一方、遠巻きには高層ビルやホテルも見える。
線路の向こう側は栄えている、そんな風景は日本でも見受けられる。
長距離バス乗り場。大連→南京とか書いてある。どれくらい時間かかるんだろう。
どこにでもあるポストだけど、オシャレに見える。ただ日本でも、そもそもポストという存在自体がレトロの代名詞のような存在になってきている気がする。
日露戦争まではロシアの影響力が大きかった大連。ロシア風情な場所を発見する。ホテルになっているそう。この時は気づいていなかったけど、ロシア風情街はまた別の場所。
逆光。機会があったら泊まってみたい。
ひとまずロシア風情を感じたつもりになって、駅に引き返す。 そうこうしているうちに、腹も減ってきた。趣ぶかい横丁がある。
ウイグルのおっちゃん。すげえ個性的だった。何かウイグル語を教えてもらったけど忘れた。羊肉の失敗のなさ。美味。大ぶりの串1本で10元。
餃子(2種類×2個+小龍包1個)で3元とか。安すぎて値段を聞き返す。なお、ビールは4元。ただ、結局物足りずに、もう一本羊肉串を追加。
帰り道、何度電話しても繋がらなかった大和ホテル(大连饭店)を一目見て帰ろうと、歩き出す。すると、本当のロシア風情街に出くわす。さっきのホテルもいい感じだったけど、もっと大規模。
色合い等が、その他の満州レトロな建物とは異なる。ロシアっぽい。
いい具合の夕日もあり本当に綺麗だった。
日本のクジ引き屋にあたるんだろうけど、知能パズルが解けると商品をくれるという出店。(本当に解けるのかどうかは知らないけど)教育的に良さそう。
土産物屋がたくさんあった。ロシアチョコや、双眼鏡・望遠鏡、ナイフ、洋酒入れが売ってた。北京なら望遠鏡買っていたのに、というくらい安かった(100元くらいだったはず。)。
ハルビンに行くし、土産はそっちで買おう、と思っていたけど、蓋を開けてみたら(個人的には)ハルビンよりもこっちのほうがいろいろ選びやすかったきがする。何かしら買っておけばよかったと今更ながら後悔。
満足してバスに向かう。その途中、日本のとある役所にそっくりの建物を発見する。確かにあそこも結構レトロな場所なんだよな、と改めて感じる。
バスに揺られてホテルに着く。近くの足マッサージに行く。サービスがいたれりつくせり、フルーツもあり、なんなら餃子まで出てきた。お茶も美味しい。店で配合している薬膳茶らしい。店員さんと話が盛り上がる。至福。
http://www.dianping.com/shop/70448904
ホテルに戻り、翌日の電車を予約して就寝。
4.大连饭店、満鉄本社址、満鉄時計
17時台の電車までまだ時間はある。大和ホテル、そして満鉄本社址を見なければならない。あわよくば、満鉄時計を買えないかなどと思いつつ、大連駅近くに向かって歩き出す。道すがら、日本の有名ラーメン店の看板に似た看板を発見する。あのラーメン屋は博多ラーメンだった気がする。
大連駅に着く。腹が減る。ちょうどラーメン屋がある。おしゃれ系ラーメン。店員もめちゃくちゃ丁寧な日本語を話してくる。大連駅近くは日本語が通じるところが多いことを再認識。
大連にも中山広場がある。円形の公園から放射状に道が伸びる。ドイツもそんな感じの街らしいと聞いたことがある。
ついに大連飯店に到着。
電話が通じないはずだ。スタッフがおらず、いるのは守衛のみ。きくならく、現在営業停止中とのこと。
ただ、カフェは営業中。
夏目漱石が来たというカフェ。夏目漱石に思いを馳せる。小学生の時に格好をつけて、夏目漱石の漢字使いを真似していた。なにかのテストで、弁護士という単語が思いつかずに、「代言人」なんて書いたこともある。小学生のときの文集を見たらしかしを「併し」なんて表記をしてる。実に痛い。他人の人生も同様に黒歴史で構成されているのか、本当に気になる。
そして満鉄本社旧址に向かう。現在は鉄道局のオフィスにもなっているそう。ただ、入口が見つからず、鉄道局の正面から入ってしまい、守衛を困らせてしまった。なんならその前にも場所が分からず、鉄道関連の検察員の人に道を聞いてしまう始末。
中の展示は基本的には撮影禁止。ただ、内装は写真を撮っていいとのことだったので撮らせてもらう。
一通りの展示を見た後、土産物コーナーに案内された。懐中時計が置いてある。その文字盤にはOMEGAの文字もある。ここでどういうやりとりがあったかかはあえて書かないが、結論以下のようなサイトに事前に目を通した上で売っているものが当時のものか、レプリカか、それとも偽物かは自分で判断する必要がある。
【骨董?】オメガの球体時計について教えて下さい父に骨董市で購入した球体... - Yahoo!知恵袋
南満洲鉄道(満鉄)精工舎製・オメガ製懐中時計 ( その他趣味 ) - 音顧値針 蓄音機 SPレコード 骨董 辺境の旅 - Yahoo!ブログ
あえて書かないが、最近の中で最も頭を使って中国語を話す機会に恵まれた。
そうこうしているうちに、電車の時間が近づく。タクシーで駅まで向かう。行く途中渋滞に巻き込まれる。事故だ。この留学で、本当によく事故に出くわす。あと、タクシーの運転手が、サックスが好きなのか、サックスのプレイリストを延々と流していた。
大連の夕日。満州の夕日は開拓への野望を感じさせるギラギラとしたものだったと誰かが言っていた。 大連は満州ではなく、また、当時とも時代は異なれど、経済成長への野心を感じさせる大連港を見る。黄昏時のサックス。悪くない。
(以上)