ブログ(仮)

自由になりたい

二郎系を食べたのちの妄想

2018年、一部の若者の間で「二郎系を食べると背中が痛くなる」という声が出た。

何を馬鹿なことを、という声も初めは上がったものの、ネット拡散ののち、実はジロリアンの中には同様の症状を訴えるものが少なくなかった。

 

熱烈なジロリアンは「陰謀だ」「何も理解していない」「自身の健康管理不足」などと声を荒げた。しかし、202X年、一人の青年が二郎系ラーメンを食した後、激しい背中の痛みを訴え、救急車で搬送、そのまま死亡するという事件が起こった。この事件は瞬く間にネットで拡散され、事態を重く見た政府も緊急調査に乗り出した。

 

結果、二郎系ラーメンには豚の油とニンニクによる化学反応から、麻薬と同様の物質が生成されることが判明した。この物質はジロリウムと呼ばれ、初回に食した際には強い嫌悪感を感じさせるが、二度目以降にジロリウムを摂取した場合は、身体感覚を麻痺させ、一種のトリップ状態に陥る。本家二郎から通い詰めていたジロリアンには次第に抗体が形成されるが、インスパイア系と呼ばれる分派から二郎デビューしたジロリアンの体内には抗体が形成されない。インスパイア系の台頭ともに、ジロリウム抗体を持たないジロリアンが増えたことが、今回の騒動の背景にあることが分かった。

 

事態を重く見た政府は、二郎系ラーメンの規制に乗り出した。政府の審査を経た二郎系ラーメン店舗(指定二郎系ラーメン)のみを認め、その他のインスパイア系を一掃する規制を閣議決定を行った。熱狂的なジロリアン及び野党からは激しい反発が出たが、その後も発生し続ける死亡事故や緊急搬送事態も相まって、20XX年、政府・与党は二郎系ラーメン規制法を強行採決した。

 

国会議事堂の前には全国から集まったジロリアンたちが一斉にシュプレヒコールを上げていたが、その声もむなしくこだまするばかりだった。

 

しかし、それでも緊急搬送の事例は後を絶たなかった。実は規制とともに市中の二郎系店舗の急激な減少と、それに伴う本家の値段の高騰は、地下二郎系と呼ばれる違法店の跋扈を引き起こすこととなったのである。摘発を受けた違法店のスープを調査したところ、本家のおよそ10倍を超えるジロリウムが検出された。

 

また、その背後には康太をはじめとするインフルエンサーの存在もあった。近隣の某国では、SNS上における二郎欲をいたずらに誘発するような言動については削除され、さらに逮捕事案も見られるようになった。日本政府も、指定二郎系ラーメン店に対する価格規制を行うとともに、インフルエンサーに対する摘発を行った。こうしたインフルエンサーSNS投稿への摘発は、戦時中を想起させる言論統制だとの批判が上がった。

 

一方、こうした規制の下で、田舎のインター付近では無修正鍋二郎や二郎系ラーメンに対する無修正論評集が販売されている事例も発生した。そうした背後には暴力団が地下二郎系と手を結びネットワークを広げていたことがわかった。

 

 ********************

先日生まれて初めて二郎系ラーメンを食べたんですが、ラーメン屋から家に戻り、シャワーを浴びながらそんなことを考えてました。